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    Interview #03 | クレアル・伊奈由樹さんとつくる、“猫がくつろぐ爪とぎ”のかたち

    愛知県常滑市に拠点を構える“クレアル”は、材料から製造まですべて日本製にこだわった猫用爪とぎの専門メーカー。&CATの爪とぎも、そんなクレアルの工房で、一つひとつ丁寧に手作業で仕上げられています。今回は、代表の伊奈由樹さんに、ものづくりへの想い、段ボール爪とぎの特長、&CATとの取り組みについてお話を伺いました。

  • Profile

    くらふと工房クレアル

    愛知県常滑市にある“くらふと工房クレアル”。猫用爪とぎの専門店として、自社工場で、すべて手作業により丁寧に製造しています。材料選びから形状設計、製造工程に至るまで、すべてに“日本製”へのこだわりを込めた製品は、独自のフォルムと確かな品質で多くの支持を集めています。また、店頭では不定期で段ボールクラフトのワークショップも開催。子どもから大人まで楽しめる場として、地域の交流の場ともなっています。

猫用爪とぎを作り始めたきっかけを教えてください。

もともとは、常滑の名産である招き猫を入れる段ボールを作っていました。あるとき、段ボールで作ったクラフト招き猫が好評で、そこからクラフト武将やひな人形など、立体的な作品も手がけるようになりました。その制作過程で生まれた“積層の断面”というヒントをもとに、爪とぎの開発がスタートしました。当時は板状のものが主流でしたが、私たちは段ボールの厚みと積層構造を活かし、くつろげる立体的な爪とぎや、遊び心のあるかたちへと発展させていきました。

クレアルの爪とぎの特長とは?

一番の特長は、使用している素材です。一般的な爪とぎは、海外産の軽量段ボールを何枚か貼り合わせたものが多いのですが、私たちは「Wフルート」と呼ばれる、みかん箱10kgなどに使われる厚みと強度のある段ボールを採用しています。この素材を一枚ずつ型抜きし、手作業で丁寧に貼り合わせていくことで、段目がつぶれにくく、強度と耐久性にすぐれた仕上がりになります。また、特殊な刃を使って段ボールの断面を波状にすることで、さらなる強度アップとユニークな形状表現が可能に。猫が爪を研ぐときの「バリッバリッ」という音も、しっかりと響くのが特徴です。

&CATの爪とぎをつくるうえで、特に難しかった点は?

やはり、&CATのデザイナーさんがこだわった細やかな曲線ですね。型抜きの際に圧力で潰れてしまわないよう、細い部分の再現には特に気を遣いました。&CATさんのスタイリッシュで繊細なデザインと、私たちの強度・耐久性のある技術が組み合わさったことで、満足のいくかたちに仕上がったと感じています。猫が心地よく使えるよう、細部まで計算された構造だと感じています。

“日本製”にこだわる理由とは?

自信を持ってお届けできる品質を守るためです。材料も工程もすべて国産にすることで、安心・安全という信頼を大切にしたいと思っています。海外製との違いは、ぜひ手に取って感じていただけたら嬉しいです。

お店を構えるようになったのはなぜですか?

最初は工場だけだったのですが、製品の種類が増えてきたことで、直接見て触れていただける場をつくりたいと思ったんです。展示と販売、ものづくり体験を兼ねた店舗とすることで、ワークショップなども開催できるようになりました。今では親子で楽しんでいただけるようなイベントも企画しています。

今後の展望についても教えてください。

夢はたくさんあります。将来的には、ペットの譲渡会や、ペット同伴OKのカフェなどを併設した総合施設を作りたいという構想があります。直近では、実際に商品を見て触れていただける場所をもっと増やしていきたいです。世の中にまだない新しいかたちの爪とぎを、これからも模索し続けていきたいですね。&CATとも、また新しいチャレンジができたら嬉しいです。

素材と技術、そしてデザイン。
それぞれのこだわりが交差して生まれる“猫のための爪とぎ”は、猫にとっての居場所であり、暮らしの中にやさしく馴染む風景でもあります。
&CATとともに、猫にとって本当に心地よいかたちを、これからも丁寧に探し続けていきたいと思います。
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