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    My Cat, My Home #03 | 猫と夫婦、穏やかに暮らす新築平屋の家。

    My Cat, My Homeの第三回は、2025年に新築した平屋で暮らす速水亮さん・麻衣さんご夫婦のご自宅を訪ねました。夫はカメラマン、妻はアパレルの販売員として働きながら、2匹の愛猫とともに愛知県の家で日々を過ごしています。猫との共存を前提に設計された住まいは、無駄を削ぎ落とした心地よい空間。壁には猫が自由に通り抜けられる穴を設けたり、専用の“猫部屋”を用意したり──細部にまでやさしさが息づいています。撮影はすべて、夫・亮さんがふだんの暮らしの中で猫と妻を被写体に収めたもの。写真とともに、猫との穏やかな暮らしをお楽しみください。

出会いは、偶然から。運命のように家族になったふたり。

ずっと猫と暮らしたくて、救える命があるならと保護猫を探していたものの、なかなかご縁に恵まれず半ば諦めかけていた頃、夫の知人から「野良猫が軒下に赤ちゃん産んだけど?」と連絡が。写真を見た瞬間「この子がいい!」と心をつかまれたのが、九十九(つくも/オス/6歳/シロキジ)でした。4匹兄弟の中でひとりだけ離れた場所でゆらゆらしていたその姿、黒い鼻──すべてが愛おしく、一目惚れでした。

ある日こと。夫が自宅で仕事をしていたときに、とつぜん響いた子猫の大きな鳴き声が…。当時暮らしていたマンションの側溝で動けなくなっていたところを、近所の方たちと協力して救出したのが、九六六(くろろ/オス/4歳/黒猫)です。当初は急な展開に多頭飼いをためらったものの、お世話するうちに「もう手放せないね」と、そのまま家族の一員に。九十九にちょっぴりうざがられながらも、弟気質で付かず離れず、仲良く(?)暮らしています。

挨拶上手とビビりくん。性格も魅力もまるで対照的。

九十九はとにかく大きくて、食いしん坊。なんでも食べるので、会う人みんなに「でかっ!」と言われるほどのずんぐりむっくり体型も、なんとも愛おしいポイントです。人が大好きで、来客にもちゃんと挨拶する礼儀正しさもチャームポイント。そして「にゃー」と鳴けず「わんわーん」や「おなん」と独特な発声をするところも、私たちにとってはたまらない魅力です。

一方、九六六は超絶ビビりで、人が来ると絶対に姿を見せません。夫婦にしか心を許さないツンデレぶりが、また可愛いんです。黒猫で、鍵しっぽが2段階に折れているという個性派。夜になると一転、甘えん坊になるギャップも魅力です。

今日も好きな場所で、くつろぎの時間を。

2匹とも、それぞれ自由に好きな場所でのんびりしています。 九十九は、夫が家で仕事をしているときはそのそばで寝ていることが多く、九六六は引っ越して間もないためか、ベッドで過ごす時間が多め。それでも基本的には、私たちがいる場所の近くで思い思いにくつろいでいます。

猫がのびのび過ごせる家を目指して。

そもそも家を建てたのは、「猫に自由で安全な暮らしをしてほしい」という思いから。打ち合わせの際も猫ファーストを徹底し、担当の方を困らせてしまったかもしれません(笑)。

中庭では思いきり走り回れ、外の景色が見えるキャットウォークも設置。部屋ごとに床材を変えて、それぞれが心地よく過ごせるように工夫しました。リビングから見えない場所には、約2畳の“猫部屋”を設け、トイレやベッドを完備。 九十九はモルタルの床がお気に入りで、よくそこでゴロンとくつろいでいます。 引っ越したばかりなので、これから少しずつ整えて、もっと楽しく暮らせる空間をつくっていけたらと思っています。

愛猫も納得?暮らしを彩るお気に入り。

TECTACAT

猫好きとしてはやっぱり集めたくなる猫モチーフ。TECTACATはドイツ・TECTA社の猫の置物で、ずっと欲しかったアイテム。なかなか手に入らなかったのですが、誕生日のタイミングで入荷があり、夫におねだりしてプレゼントしてもらいました。「本物の黒猫がいるのに?」と笑われましたが(笑)、今では九六六と見間違えるほど空間に馴染んでいます。

イイホシユミコ

器好きにはたまらない作家さん。質感や色味が好みで、少しずつ集めています。なかでも、大阪のカレー屋さん「OXYMORON」のために作られた器は、落ち着いた色合いが料理を引き立ててくれます。 ホテルとのコラボシリーズ「SHIONAR」は、和洋どちらの料理にも合い、日常使いにぴったりです。

BYOKA

アクセサリーブランドですが、インテリアも展開していて、どれも空間をぐっとおしゃれに格上げしてくれるアイテムばかり。ワンピースのように着られるエプロンや、引っ越し前からずっと準備していたティッシュボックス、リビングに置いてもオブジェのように美しいゴミ箱など、実用性と美しさを兼ね備えたお気に入りたちです。

BYOKA公式インスタグラム

最近は、主人がバーミキュラの「オーブンポット」で無水カレーをつくるのにハマっています。

また、名古屋市黒川にあるセレクトショップ「author」で譲っていただいた蚊取り線香は、夏になると毎年大活躍。

プレゼントでもらった、革をまとった石もお気に入りのひとつ。暮らしの中にそっと溶け込むような存在感があり、目にするたびに嬉しくなります。

散らかせない性格に、成長しました(笑)

もともとはズボラな性格でしたが、九十九がなんでも食べてしまうため、食後もゆっくりしていたい気持ちを抑えてすぐに片づけるように。思いがけず「綺麗好き」に育ててもらっています(笑)。 猫と暮らすようになってから、空間や生活への意識も自然と変わりました。

猫たちのための家であることが、私たちの幸せ。

猫たちがストレスなく、のびのびと安心して暮らせる家。そんな空間をつくることが、私たち夫婦にとっての幸せであり、責任だと思っています。

子どものような存在である彼らには、元気で長生きしてもらいたい。その思いを込めて、名前も「九十九(つくも)」「九六六(くろろ)」と名付けました。

今はまだふたりだけですが、もしご縁があれば、もう1匹お迎えする日がくるかもしれません。

猫とともに、心満たされる日々を。

静かな時間の中に、ふと感じるあたたかな気配。 そこに猫たちがいて、隣に大切な人がいて、心地よく整えられた空間がある。 そのすべてが、何気ない毎日を、少し特別なものに変えてくれます。

猫との暮らしは、思っていた以上に豊かで、やさしいものでした。 これからも、大切な家族とともに、一日一日を丁寧に紡いでいけたらと思います。

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