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    My Cat, My Home #04 | 猫との時間が愛おしくなる、経年変化を楽しむ家で。

    My Cat, My Homeの第四回は、名古屋市内のヴィンテージマンションをリノベーションして暮らす、グラフィックデザイナー・寺嶋梨里さんのお宅を訪ねました。猫のふぐ(通称・おふぐ)と、ご主人との三人暮らし。漆喰や鉄、コンクリートなど、経年変化を楽しめる素材を選んだ住まいは、静けさとユーモアが同居する心地よい空間です。愛猫との距離感、インテリアのこだわり、日々の時間──。愛すべき“おふぐ”との暮らしを綴っていただきました。

名古屋の“渋ビル”を愛する、リノベ会社勤務のグラフィックデザイナー

寺嶋梨里です。エイトデザインというリノベーション会社で、プレスとグラフィックの仕事をしています。2010年の創業から竣工撮影も担当しており、いろんなおうちを見られるのが楽しいです。

プライベートでは大学時代からの友人と「名古屋渋ビル研究会」というユニットを組み、高度経済成長期に建てられた渋いビルを愛でる活動をしています。年1回のペースで発行している『渋ビル手帖』も、気づけば10年以上つづくライフワークに。
名古屋渋ビル研究会

名前も顔も、インパクト抜群の「おふぐ」

ふぐ(通称・おふぐ)は、2019年2月2日生まれのブリティッシュショートヘア。性格はちょっとビビリでマイペース。お客さんが来ると隠れてしまいますが、しばらくすると定位置でくつろぐ姿も見せてくれます。
「おふぐ」という愛称は、渋ビル研究会のもう一人のメンバーが名付けたもの。ふぐが初めて家に来た日に遊びに来たその友人が、第一声で「おふぐ〜〜〜〜!」と呼びかけたことがきっかけでした。

猫暮らし未経験からの出会い

もともと動物を飼う習慣はなく、猫との暮らしもまったくの未経験でした。
転機は数年前。夫の実家に帰省した際、義弟が猫を連れて帰ってきて、一時的に一緒に過ごすことに。ふわふわの手触り、控えめな距離感、夜中にこっそり様子を見に来てくれるような仕草──それらにすっかり魅了され、その年の初詣では「猫と暮らせますように」と願掛けをしたほど。
数ヶ月後、偶然ブリーダーのサイトで目にしたのが、おふぐ。独特の面構えに一目惚れし、ブリーダーからは「もっと美形な子もいますよ」と言われたものの、迷うことなくこの子に決めました。出身が自分と同じ岡崎市というのも、運命を感じた理由のひとつです。

渋やかで、おじさんっぽい?味わい深い愛らしさ

口元できれいに上下で分かれた毛色、まんまるな顔。ふぐの名前にぴったりな、個性的な佇まいがチャームポイント。
女の子ですが、どこかおじさんのような渋やかさもあり、そのギャップもまた可愛いです。 お水を手でかき出しながら飲む、やんちゃな一面も気に入っています。

「友達?ライバル?」心地よい距離感

おふぐにとって私は友達?ライバル?それとも刺激物? ベタベタしすぎず、ほどよい距離を保ちつつ、静かに見守ってくれています。
とはいえ、帰宅時にはすりすり&頭突きで甘えてくれるし、朝寝坊しているとテーブルの上の物を落として起こしにくるような知能犯的な一面も(笑)。
午前中はダイニングで一緒に過ごし、午後はひとりの時間を楽しんでいる様子。冬はベッド、夏は土間と、季節によってお気に入りの場所が変わるのも面白いです。

撫でたいけど、撫ですぎない。自由を大切に

おふぐがストレスなく過ごせるよう、基本的には自由にしてもらうことを大切に。 本当は撫でまわしたい気持ちをぐっと我慢……と言いつつ、たまに追いかけ回してしまうこともあります(笑)。
また、CatlogなどのIoTデバイスを使って健康管理も意識しています。

鉄とコンクリートが、静かに味を深める家

我が家のテーマは、経年変化を楽しめるインテリア。ピカピカすぎず、素材感のある家が好きです。
2011年に中古マンションをリノベーションしてから長い年月が経ちますが、今でも飽きることなく暮らせています。ハンモックはお気に入りの場所で、おふぐのごはんスペースの前にあるので、ここで食事風景を眺めたり撮影したりするのが日課です。
猫用グッズも、インテリアに馴染むものを厳選。リビングにあるキャットタワーは木製の脚立。もし使わなくても人間が使えるし……と思って選んだのですが、結果的におふぐの特等席になりました。

暮らしに彩りを添える、お気に入りたち

林 青那さんのポスター

モノクロで力強いタッチが寝室を引き締めてくれて、お気に入りのアートです。

昭和レトロなガラスの器

「トスカ」という古びた商業施設の地下にあるリサイクルショップで少しずつ集めています。おうちで純喫茶気分が味わえる、ささやかな楽しみ。

金工作家・三輪周太郎さんのアルミ鍛金皿

nodeの個展で出会って即購入。軽くて割れず、錆びない。槌目も美しく、実用性も佇まいも◎。

neco.tenのフライヤー

あくび写真を気に入っていただき、おふぐがカバーガールに。怪獣のような表情が私も大好きです。

──有名無名を問わず、名もなきアノニマスなものに惹かれます。

猫との暮らしで気づいた“家時間”の豊かさ

かつては旅行が大好きで、よく出かけていましたが、おふぐと暮らし始めてからは、家にいたい気持ちが強くなりました。
意外だったのは、おふぐがお風呂好きだったこと。夫の入浴をじっと見守り、ときにはお湯を飲むことも……(笑)。その時間が夫にとって至福だそうで、銭湯やサウナにも行かなくなりました。
猫と家でのんびり過ごす日常こそ、いちばん心地よい時間なのかもしれません。

のびやかに、健やかに。これからも一緒に

これからも、みんなで健康に、のんびり暮らしていけたらと思っています。 おふぐがストレスなく健やかに過ごせるよう、人間側も元気でいなければ。
おふぐの気配を感じながら過ごす家時間は、私にとって何より大切なものです。

猫と暮らす、この幸せがずっと続きますように。

おふぐと過ごす毎日は、私たち夫婦にとって、かけがえのない幸せです。 だからこそ、おふぐにとっても、この家での暮らしが心地よく、しあわせであってくれたら──そう願っています。

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