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    My Cat, My Home #10|毛糸のぬくもりと、猫の気配。

    毛糸をミシンで縫い合わせ、ユニークで愛らしい動物たち “yarn animals” を生み出すファイバーアーティスト、Kari Ishikawaさん。 2020年に山形へ移住し、自然豊かなアトリエ兼住居で3匹の猫たちと暮らしています。 今回は、Kariさんのものづくりの背景や、猫たちとの暮らし、木・土・布のぬくもりが重なるアトリエの空間についてお話を伺いました。 あわせて、Kari Ishikawaさんの作品9点を特設ページにて期間限定でご紹介します。毛糸から生まれた小さな動物たちが、猫と暮らす空間にそっと物語を添えてくれます。

  • Profile

    Kari Ishikawa

    ファイバーアーティスト。毛糸をミシンで縫い合わせ、ユニークで愛らしい動物たち “yarn animals” を制作。2020年に山形へ移住し、自然豊かなアトリエ兼住居で3匹の猫たちと暮らす。制作活動のかたわら、夫と協力しながら保護猫活動にも取り組んでいる。

すだち、キキ、ジジ。3匹それぞれの愛らしさ

Kariさんが一緒に暮らしているのは、3匹の猫たち。

ベンガル猫の男の子、すだちは、通称すーちゃん。6歳になる、家のムードメーカーのような存在です。人懐っこく、来客も大好き。お腹が空くと物を倒してこちらの気を引くような、賢くて食いしん坊な一面もあるそう。

サビ猫の女の子、キキは5歳。お姫様気質で、食へのこだわりも強く、少食でスリムな女の子です。おもちゃを咥えて持ってきて、投げてもらうとまた咥えて戻ってくる。その遊びを、まるでワンちゃんのように何度も繰り返すのだとか。

同じく5歳の黒猫、ジジは、家族にはとても甘えん坊。一方で知らない人には人見知りで、来客があるとなかなか姿を見せないため、Kariさんのまわりでは“レアキャラ”と呼ばれているそうです。

3匹それぞれに性格も距離感も違うけれど、その違いごと愛おしい。そんな猫たちの気配が、Kariさんの暮らしと制作のそばにあります。

出会いが、暮らしを広げていく

すーちゃんとの出会いは、Kariさんが山形へ引っ越してきて1か月が過ぎようとしていた頃。

福島方面へドライブに出かけていた道中、里親募集サイト「ペットのおうち」で見かけたのがきっかけでした。掲載されていたのは、3か月の男の子という情報と、顔の写真。そして「至急募集」の文字。

気になって問い合わせると、すぐに返事が届き、もともとの行き先を急遽変更して会いに行くことに。キジトラの男の子だと思って迎えに行くと、縁側を元気いっぱいに走って現れたのは、小さな豹柄の子猫でした。



ペット犯罪防止のため、あえてベンガル猫とは書かれていなかったそう。先住のワンちゃんたちが苦手で体調を崩してしまい、急ぎ里親を探していたすーちゃん。ご縁があればどんな子でも迎えたいと思っていたKariさんは、そのまま山形へ連れて帰り、晴れて家族として迎えることになりました。

キキとジジとの出会いは、ジモティーの里親募集。山形で保護猫活動をしている方が掲載していた姉妹猫でした。

最初は1匹だけ迎えるつもりだったそうですが、とても仲のいい可愛い姉妹を前に、どちらかを選ぶことはできず、2匹ともトライアルへ。そしてそのまま、2匹とも家族として迎えることになりました。

キキとジジを譲渡してもらったことをきっかけに、保護主さんから保護猫活動について教えてもらったKariさん。TNRのやり方や避妊去勢の補助金のことを学び、自宅敷地内に現れた猫たちの避妊去勢手術や里親探しを行うようになったそうです。

猫との出会いが、また次の命との向き合い方につながっていく。Kariさんの暮らしには、そんなやさしい循環が生まれています。

アトリエに馴染む、猫という存在

ファイバーアーティストとして、日々制作を続けているKariさん。

作業中には、猫たちが邪魔をしに来ることもしばしばあるそうです。でもそれは、Kariさんにとって“なんとも幸せな悩み”。

毛糸から生まれる動物たち、集めてきた雑貨や器、手仕事のものが並ぶアトリエ。その空間の中で、猫たちはまるで作品の一部のように自然と馴染んでいます。

けれど、Kariさんはこう話します。

「悔しいことに、どの作品も猫たちのかわいさには敵いません」

ものづくりのそばに、猫たちの足音や視線、気まぐれな邪魔がある。そんな日常の中から、Kariさんの作品が少しずつ生まれていきます。

窓辺の光、鳥の声。山の中腹で過ごす猫たち

Kariさんの家は、山の中腹にあります。

外を飛び交う鳥や虫たち、風になびく草木。猫たちは、そんな自然の気配をじっと見つめながら過ごしています。

東向きの大きな窓からは、朝の光がたっぷりと差し込みます。朝になると、猫たちは気持ちよさそうに日向ぼっこ。毛並みを褒められることが多いという3匹ですが、Kariさんは「もしかしたら日当たりの良さのおかげかもしれません」と話します。

窓辺に差す光、草木の揺れ、鳥や虫の気配。猫たちにとっての毎日は、外の世界と室内がゆるやかにつながる時間なのかもしれません。

言葉を持たないからこそ、じっくり向き合う

猫との暮らしの中でKariさんが大切にしているのは、言葉を話せない猫の気持ちを感じ取ること。

「我が家の猫たちは基本的に呑気なので心配事も少ないですが、保護猫活動をしていると、これが本当に一番大切だと感じています」

保護したばかりの猫は、夜鳴きが止まないことも多いそうです。その多くは、ストレスや不安からくるもの。だからこそ、毎日少しずつ距離を縮め、不安を取り除いてあげることが、人や環境に慣れてもらう近道なのだといいます。

現在、Kariさんのもとには里親募集中の猫、〈ムタ〉もいます。



ムタは、もともとアトリエの外で暮らしていたキジ白の男の子。最初は人に触れられることも苦手で、警戒心の強い“シャーシャー猫”だったそうです。

それでも長い時間をかけて少しずつ距離を縮めていくうちに、今では人間が大好きな甘えん坊に。抱っこも大好きな子になりました。

FIV陽性のキャリアがあるため、喧嘩防止のために現在は別室で暮らしています。ほかの猫と仲良くするのは少し難しそうなため、単頭飼いをご検討いただける方とのご縁を探しているそうです。
(里親をご希望の方は、Kari IshikawaさんのInstagramからご連絡ください)

何を考えているのか。何が好きで、何が嫌なのか。

話せないからこそ、よく見ること。急がず、じっくり向き合うこと。Kariさんの猫との暮らしには、そんなまなざしが静かに息づいています。

木、土、布。手仕事の温もりが集まる家

Kariさんが好きなのは、温もりのあるもの。

インテリアも、木、土、布でできたものがほとんどだそうです。自然素材のやさしい質感や、作り手の気配を感じるものが、アトリエ兼住居の空間を形づくっています。



特にお気に入りなのは、ドイツ・ザイフェン村のおもちゃ工房で作られている、Christian Wernerさんの木製の動物たち。NHKの番組「世界はほしいモノにあふれてる」で知って以来、毎年少しずつ集めているそうです。猫たちにいたずらされるのが目に見えているため、大切にショーケースの中へ。



自宅のリノベーションの際に作ってもらった創作棚には、お気に入りのものを飾っています。中でも、リトアニアシリーズとして同じ空間に並べているヴィガンタスさんとルータさんの鳥笛は、大切な存在。作り手の温もりを感じるフォルムに惹かれているそうです。

リビングダイニングとキッチンを仕切るように置かれた木製ショーケースには、大切な器たちを収納。ベトナムで見つけたオールドソンべや鶏のオブジェ、ルーマニアのアンティーク、好きな作家さんの器を並べ、眺める時間も楽しみのひとつです。



そして、ダイニングテーブルはイギリスのアンティーク。二人暮らしには少し大きいサイズですが、来客の多いKariさんの家にはぴったり。脚が猫の手にそっくりで、爪まであるところがイチオシポイントなのだとか。

手仕事のもの、旅先で出会ったもの、少しずつ集めてきたもの。そこに猫たちの気配が重なり、Kariさんらしい空間が生まれています。

猫たちがくれた、豊かな時間

山形に引っ越してきたのと同じ頃、コロナ禍が始まりました。

予定していた結婚式は中止に。実家にも帰りづらくなり、友人にも会えない。緊急事態宣言もあり、山形で新たに友人を作ることも難しかった時期。

気持ちが塞いでしまい、精神的にもつらかった頃に出会ったのが、すーちゃんでした。

「その瞬間から一気に心が晴れて、毎日が楽しく豊かなものとなりました」

猫たちと暮らし始めてから、Kariさんの暮らしはすっかり猫中心に。1日でも長く健康に長生きしてほしいから、大好きだった香り系のもの、ディフューザーや柔軟剤はやめ、植物も猫たちが届かない高さのものや、吊り下げ、壁掛けのものを選ぶようになりました。

猫たちのおかげでつながったご縁もたくさんあります。猫好きの友人たちと会うと、話題はほとんど猫のこと。それでも話は尽きず、猫の魅力の深さをいつも感じているそうです。

神社でお祈りするときも、かつては願いごとが山ほどあったというKariさん。けれど今では、真っ先に思い浮かぶのは猫たちの健康です。

「自分にそんな存在ができたことが何より嬉しいのです。私が猫たちから与えてもらった幸せを、猫たちにお返しができるように、これからも一緒に過ごせる時間を大切にしていきたいと思います」

&CATのウォーターボウルと、猫たちの水飲み時間

Kariさんが&CATで迎えてくださったのは、飛騨木工×美濃焼のウォーターボウル「HM BOWL」。

木の温もりと、美濃焼のなめらかな質感が、自宅のインテリアにも自然に馴染んでいるそうです。多頭飼いにも嬉しいたっぷり入るサイズで、猫たちも飲みやすそうに、ごくごくと水を飲んでくれるのだとか。

器としての佇まいと、猫たちの日々に寄り添う使いやすさ。

Kariさんのアトリエにある、木、土、布の温もりある空間にも、&CATのウォーターボウルは静かに溶け込んでいます。

Photo : 箱石 梨々花
Instagram → @ciar_rrk_

猫と暮らす空間に、物語のある作品を

今回の記事公開にあわせて、&CATではKari Ishikawaさんの作品9点を特設ページにて期間限定でご紹介します。

毛糸をミシンで縫い合わせて生まれる、ユニークで愛らしい “yarn animals”。ひとつひとつ異なる表情や佇まいには、Kariさんの手仕事の温もりと、動物たちへのやさしいまなざしが込められています。

猫と暮らす部屋に、そっと物語を添えてくれるような小さな存在たち。



Kari Ishikawaさんの作品は、6月6日(土)〜6月14日(日)まで、&CATの特設ページにてご覧いただけます。

特設ページはこちらから

 

Information|Kari Ishikawaさん参加企画展

Kari Ishikawaさんが参加する企画展「かたくてやわらかい」が、TOKYO FANTASTIC 201にて開催されます。

陶器作家・一色佐和さんと、ファイバーアーティスト・Kari Ishikawaさんによるコレクション。
“かたさ”と“やわらかさ”、それぞれの素材が持つ表情が響き合う展示です。

お近くにお越しの際は、ぜひ足を運んでみてください。

「かたくてやわらかい」
Collection by Sawa Isshiki & Kari Ishikawa

会期:2026年6月13日(土)〜6月30日(火)
※毎週水曜日は定休日です。

会場:TOKYO FANTASTIC 201
東京都港区南青山3-16-6-201
OPEN:12:00〜19:00
定休日:水曜日
Instagram @
tokyofantastic201

参加作家:
一色 佐和|Sawa Isshiki(陶器) Instagram @sawaisshiki
Kari Ishikawa(ファイバーアート) Instagram @_kari_ishikawa

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